【短】made by……
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「奥山」
厨房で人数分のカップを用意し、紅茶を蒸らしていたところで背後から名前を呼ばれた。
リミが振り返ると、優し気な笑みを浮かべた充希がいた。
「充希様。お嬢様方のお相手をしていなくてよろしいのですか?」
「ああ、彼女たちなら帰らせたよ」
「は? 帰らせた? 私がこうしてせっかく紅茶を準備していたのにですか?」
「ごめんって奥山。怒らないで」
ほんの少し前まで、あれほど仲良くいちゃついていたではないか。
釈然としないながらも、リミは「別に怒ってませんけど」と答える。
「せっかく淹れてくれたし、その紅茶全部僕がもらってもいい?」
「あの人数分ですから、結構な量があるかと思いますが」
「じゃあ全部はちょっときついか」
充希はカップ一杯分だけ紅茶を注いで口を付ける。いつも通り美味しい、と満足そうにうなずいた。
「それで。先ほどのお嬢様方、どうして帰らせてしまったんですか?」
怒っていないと言いつつも、充希の気まぐれっぷりには呆れる。そう思って聞いたリミに、充希は少し困ったように眉を下げた。
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「奥山」
厨房で人数分のカップを用意し、紅茶を蒸らしていたところで背後から名前を呼ばれた。
リミが振り返ると、優し気な笑みを浮かべた充希がいた。
「充希様。お嬢様方のお相手をしていなくてよろしいのですか?」
「ああ、彼女たちなら帰らせたよ」
「は? 帰らせた? 私がこうしてせっかく紅茶を準備していたのにですか?」
「ごめんって奥山。怒らないで」
ほんの少し前まで、あれほど仲良くいちゃついていたではないか。
釈然としないながらも、リミは「別に怒ってませんけど」と答える。
「せっかく淹れてくれたし、その紅茶全部僕がもらってもいい?」
「あの人数分ですから、結構な量があるかと思いますが」
「じゃあ全部はちょっときついか」
充希はカップ一杯分だけ紅茶を注いで口を付ける。いつも通り美味しい、と満足そうにうなずいた。
「それで。先ほどのお嬢様方、どうして帰らせてしまったんですか?」
怒っていないと言いつつも、充希の気まぐれっぷりには呆れる。そう思って聞いたリミに、充希は少し困ったように眉を下げた。