愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「あのとき、あと数分早く現場に着いていたら違った結果になっていたかもしれないと、今でも悔やまれます」
「バカ言え。そうしたら俺やお前も死んでいたかもしれない。あれは指揮隊の判断が誤ってた」
隊長がチッと舌打ちする。世話をした部下に死なれて、やりきれない思いを抱えているのは彼の方だ。
「要救助者が待っているからって、隊員の命が危険に晒されちゃ元も子もない。お前もよくわかっているだろう」
助けられない人間もいる、それが現実だ。
レスキュー隊に配属され、嫌というほど遺体を見てきた。
火災で母を失いレスキュー隊を恨んだものだが、実際自分がその立場に立つと、見方がガラリと変わってくる。
黒煙が立ち込め視界はゼロ。光の届かない屋内で、どこに倒れているかわからない人間を探し出し、救助する。それがどれだけ難しいか。
すべての命を救えるほど、人間は全能ではない。
「……ですが、あのとき乙花が救助に向かったおかげで救われた命もあります」
少なくとも、無茶な救助のおかげで助かった人間がいた。
「とはいえ、正しいとは言えない。運がよかった悪かったで片づけちゃいけないんだよ、俺たちの仕事は」
そのために俺たちは日々学び、訓練を積んでいるのだ。救助の成否が運に左右されないように。
「バカ言え。そうしたら俺やお前も死んでいたかもしれない。あれは指揮隊の判断が誤ってた」
隊長がチッと舌打ちする。世話をした部下に死なれて、やりきれない思いを抱えているのは彼の方だ。
「要救助者が待っているからって、隊員の命が危険に晒されちゃ元も子もない。お前もよくわかっているだろう」
助けられない人間もいる、それが現実だ。
レスキュー隊に配属され、嫌というほど遺体を見てきた。
火災で母を失いレスキュー隊を恨んだものだが、実際自分がその立場に立つと、見方がガラリと変わってくる。
黒煙が立ち込め視界はゼロ。光の届かない屋内で、どこに倒れているかわからない人間を探し出し、救助する。それがどれだけ難しいか。
すべての命を救えるほど、人間は全能ではない。
「……ですが、あのとき乙花が救助に向かったおかげで救われた命もあります」
少なくとも、無茶な救助のおかげで助かった人間がいた。
「とはいえ、正しいとは言えない。運がよかった悪かったで片づけちゃいけないんだよ、俺たちの仕事は」
そのために俺たちは日々学び、訓練を積んでいるのだ。救助の成否が運に左右されないように。