愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
急いでドアを開けると、二階の窓から黒い煙が噴き出しているのが見えた。

勢いから見て、三階より二階の方が火に近そうだ。

「火元は二階なの?」

それにしては火災報知器の鳴るタイミングが遅すぎる。

まさかまた報知器に細工がされていたの……?

「これ以上、煙が酷くなる前に逃げないと」

窓から噴き出す黒い煙はまだ非常階段を覆いつくしてはいない。通り抜けるくらいならできそうだ。

ポケットからハンカチを取り出し、階段を駆け下りる。

白い煙をかき分け、下の階に向かおうとしたところで――。

「これって……!」

山積みの段ボールが行く手を塞いでいて絶句する。

つい数週間前に撤去してもらったばかりなのに、また積み上がっているの?

段ボールを押してもびくともしない。狭い階段に無理やり詰め込んだせいで、手すりに角が引っかかっているのかもしれない。

噴き出す煙の量が増えてくる。真っ黒な煙に巻かれそうになり、たまらず三階に引き返した。

煙から逃げるように、もといた倉庫に飛び込んでドアを閉め、けほけほとむせながら大きく息を吸い込んだ。

ここなら外よりはまだ呼吸がしやすい。少し焦げ臭い匂いが漂ってきているけれど。

「どうしよう……」

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