愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「真誉の考えた料理をおいしいって食べに来る人がいるんだろう? 真誉たちの作った空間で日々の疲れを癒やしていく人がいる。物理的な人助けだけじゃなくて、心を豊かにするのも、大切な仕事だと思うぞ?」

北斗さんはカツカレーを口に運びながら滔々と語る。私を肯定してくれる言葉に胸が温かくなってくる。

「うまい。カツがさっぱりしてて、カレーとのバランスがいい。いくらでも食えるな」

「ふふ。食べすぎに気をつけてね」

お互いの表情に笑みがこぼれる。

私たちの穏やかな関係は変わらない。

お互い大事に思っているのは今も昔も同じ。たとえ恋人同士になったところで、突然態度が変わるわけもない。

「今日も幸せ」

なんの気なしに呟いて、よかったと安心する反面、ふとこれまでにはない物足りなさを覚えた。

どうしてだろう。今のままでも充分幸せなのに、なにかが足りない気がするのは。

突然考え込んでしまったせいか、北斗さんが「どうした?」と覗き込んでくる。

「なんでもないよ。ただ、北斗さんはいつも優しくて、嬉しかっただけ」

静かに答えると、彼はぴくりと眉を上げ、怪訝な顔をした。

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