愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
彼が少し困った声を出す。私はうしろに向き直り、彼の頬に触れた。

「見せて。私、どんな北斗さんでもいい」

きっと彼なら、どんな表情でも素敵だから。

「言ったな?」

にやりと笑みを深め、私の顎を引き寄せる。唇が近づいてきて、しっかりと重なった。

キスは病院で交わして以来だ。どこかお行儀よかったあの日のキスより、今日のは深くより荒々しく、熱がこもっている気がした。

「んっ……」

彼の舌がゆっくりと、緩慢に、逃げ場なく私の口内を満たしていく。

腰に回された手がシャツの下に滑り込んできて、するりと素肌を撫でた。思わずびくりと体が震える。

「怖いか?」

「ごめんなさい、怖いんじゃないの」

少し驚いただけ。家族の一線を越え恋人同士になる、その事実が嬉しすぎて、まだ実感がわかない。

「本当に、北斗さんって優しいのね……」

私が怯えないように最大限気を遣ってくれている。

すると、彼は少々癪な顔で目を細めた。

「それは煽っていると受け取っていいんだよな?」

もしかして彼の中では、優しい=物足りないなの?

「私、そんなつもりじゃ――」

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