愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「私が気にするの!」
必死に抵抗するも、腕が離れていかない。いやいやする私すらかわいいとでも言いたげに、擦り寄ってくる。
これが先ほど彼が口にしていた『愛情表現』の実態。
想いを伝え合ってから、彼は私を猫かわいがりするようになった。溺愛は日に日にエスカレートしている。
「それより、雑誌に顔が載るなんて聞いてないぞ?」
不意に北斗さんが不機嫌な顔でこちらを覗き込んでくる。
「五十嵐さんが言ってたこと? 大丈夫よ。私にファンなんてできないって」
「なに言ってんだ。俺を落としといて」
彼が覗き込むように首を傾げ、私の顎を持ち上げた。
不意を突くような素早いキスに、私は真っ赤になって彼を見上げる。
「自覚しろ。で、警戒しろ。男はみんな下心があると思った方がいい」
「きょ、極端よ……!」
確かに下心のある男性にホテルに連れていかれそうになった前科があるけれど。
あれはすごく運が悪かっただけ。世の中の男性はもっと善良だ。……と思いたい。
「以前なら、まともな男が寄ってきたら真誉を快く送り出すつもりだったけどな。もう無理だ。誰にも渡さない」