愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
返事をすると、八尾さんは「気をつけてな」と軽く手を掲げて、自分の持ち場へと戻っていった。

北斗さんがきゅっとヘルメットを引き下げる仕草をする。

「俺も仕事に戻る。消防法関連については、オーナーさんと確認してくれ」

「うん、わかった。心配してくれてありがとう」

北斗さんは凛々しい笑顔を見せて、隊員たちのいる方へ駆け出していった。

五十嵐さんの真横まで辿り着くと、頭の上にげんこつを落とす仕草をする。

ヘルメットをしているので痛くはないのだろうけれど、五十嵐さんは『しまったー』というポーズで北斗さんを見上げた。

「ふふふ」

和やかなムード。隊員たちに慕われているのがわかる。

そして、北斗さんが姿勢を正し指示を出した瞬間、隊員たちの背筋に緊張が走り、全員真剣な顔になった。

厳しくも優しい、いい隊長をしているのだと思う。

……眩しいな。

きっとそれが北斗さんの天職なのだろう。毅然と振る舞う彼が、とても凛々しく頼もしく見えた。



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