愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~

ボヤ騒ぎの翌日。各テナントのオーナーとビルの管理者が集まって、今後について話し合った。

「ありえない」

店に戻ってきて早々、優多さんが悪態をつく。

「あの二階のオーナー、防火意識低すぎなのよ。非常口を資材で埋めちゃうわ、怪しいライティングやらキャンドルやら手作りしてボヤ騒ぎ起こすわ、消火器は邪魔だから置きたくないとか、アホじゃないの? あれでよく営業許可が下りたわね」

すっかりご立腹な優多さんを「まあまあ」となだめる。

「非常階段の荷物はどけてくれたんでしょう? あんな騒ぎを起こしたんだし、さすがに反省するんじゃないかな」

「反省どころか、開き直ってたわよ。怪我人がいなかったんだからいいじゃないかって。そういう問題じゃないっつの」

飲食店ではなくセレクトショップ、加えて二階という立地もあり、防火意識は低いのかもしれない。

飲食店、とくに三階以上のテナントで収容人数もそこそこ多い施設は、消防用設備の設置義務や、消防計画の届け出など、様々な義務があるのだ。

「あのオーナー、信用できないわね。非常階段は定期的に確認した方がよさそう。次に荷物置いたら、即刻クレームつけてやる!」

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