愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
ラフめなジャケットに白いシャツ、ジーンズを合わせた彼が、静かな怒りを宿して立っている。

「は? 誰だよお前! 口出してくんな」

三津屋さんは啖呵を切って腕を振り払うも、自分より身長が高く逞しい北斗さんを見て固まった。

じりじりとあとずさり、腰が引けている。

「嫌がる女性を無理やりホテルに連れ込もうとして、言い逃れできると思うなよ。警察を呼ばれたくなければさっさと立ち去れ」

冷静で淡々としているのに、なんて威圧感。言葉に迫力がある。

彼の視線、姿勢、息遣い、すべての所作がただ者ではないと物語っていた。

これがたくさんの危機を潜り抜けてきた人間が持つ貫禄なのだろうか。

「二度と真誉に関わるな」

よく響く、どすの利いた声。三津屋さんはぶるりとその身を震わせると、直感的に敵わないと悟ったのか、慌てて逃げ出した。

「北斗さん……」

あまりにも突然の出来事だった。緊張が解けて膝がかくんと頽れ、その場にへたり込みそうになる。

すかさず北斗さんが抱き支えてくれた。

「真誉! 大丈夫か」

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