愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
え? と今度はこちらが拍子抜けする。『子ども』は少々言い過ぎだったかもしれない。

「迷惑じゃありませんか……? 私のお守りなんて」

目を逸らしながらおずおずと切り出す彼女。

やましさを疑われているわけではないとわかり、ホッとした。

「真誉ちゃんのおいしいご飯が毎日食べられるんだろ? 俺にはメリットしかないけど」

彼女は俺を見たり目線を下げたりして、視線を彷徨わせている。

「それに、女性のひとり暮らしってなにかと不安だろうし。こんな俺でもいた方が、多少はマシだろうから」

「そんな、マシ、どころか……」

きゅっと背筋を伸ばし、泣きそうな顔でこちらを見上げる。

「本当は兄から、『なにかあったら北斗を頼れ』って言われていたんです。でも、北斗さんだって迷惑だろうし……」

なるほど、と腑に落ちると同時に安堵した。

遊真が亡くなってから三週間、俺に連絡をよこさなかったのは、頼られなかったわけじゃない。遠慮していただけなんだ。

「なんでも言ってくれ。遊真に言いたかったこと、頼みたかったこと、全部俺に言ってくれていい。迷惑なんて思ってないから」

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