愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
そして和やかな同居生活が始まった。
「北斗さん、見て!」
キッチンに手招かれ行ってみると、調理台の上にアーモンドが敷き詰められた板のような焼き菓子が置かれていた。
パン切り包丁で細かな四角形に切っていく。表面が艶々していて、生地はサクッとした硬さがある。
「おいしそうだな。クッキー……なのか?」
「フロランタン。聞いたことない?」
「ああ、名前は知ってる。食べてもいい?」
「もちろんどうぞ。あ、でも、高カロリーだから食べ過ぎないように気をつけてね」
食べてみるとまだ少し温かく、クッキー生地の甘さとアーモンドの香ばしさが口の中いっぱいに広がった。
「うまい。甘いけど、しつこくないな」
「この上からさらにチョコレートをコーティングしようと思ってるの。だから、今は甘さ控えめ。完成形は当日にあげるね」
その言葉でようやく明日はバレンタインだと気づく。
「ありがとな。すごい量だけど、他は友だちに?」
「うん。友チョコ用。学校のみんなに配ろうと思って。当日はチョコパーティーになると思うな」