愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
きゅっと手を握って、気合いを入れるような仕草をする。

「北斗さん、すごくモテるんでしょう? 他の人には絶対負けたくないって思ったの。これまでもらったチョコレートの中で一番になりたいなって」

きょとんと目を丸くする。兄の代わりに回ってきたチョコレートだと思っていたのだが、どうやら違うらしい。

かわいいなあとまいってしまい、苦笑する。もしも同世代の女性からこんなことを言われたら、好意を持ってしまうかもしれない。

幸い彼女はまだ二十歳を過ぎたばかりの女の子で、学生で、妹のような存在だ。

こんなに愛らしい彼女にやましい気持ちを覚えなくてよかったと安堵する。

「ああ。間違いなく一番だよ。こんなに立派で、気持ちのこもったチョコ、もらったことない」

「本当?」

「本当だ」

「よかった……」

彼女がほうっと息をついて安堵する。

その無垢な表情を見ていると、世界には自分と彼女しかいないような錯覚を覚える。

「もうほかの女性からチョコは受け取れないな」

なんの気なしに漏らした言葉に、彼女がテーブルの上に身を乗り出して食いついた。

「ほ、ほんとに?」

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