愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
どうしたのだろうと首を傾げながら「ああ」と頷く。

「私、来年も頑張るから、待っていて。それから――」

顔色をうかがうように、おずおずとこちらを見上げる。

「来年からは、十三日に渡してもいい?」

思わず息を大きく吸い込み――ぷっと吹き出した。

フライングは他の女性に牽制でもしているつもりなのだろうか。かわいい独占欲だ。

「オーケー。待ってる」

彼女はほこほこと嬉しそうな顔をして食器を洗いに行った。残りのチョコを口に運びながら、温かい気持ちでその背中を見守る。

……俺も結構、まいっていたはずなのにな。

親友を失った悲しみと、いつ自分が同じ目に遭うかわからないという漠然とした緊張感に、心がどこかひりついていた。なのに――。

彼女と暮らすようになって、気持ちが柔らかくなった。心に余裕ができた。

彼女の笑顔を見るたびに、癒やされていく自分がいる。

俺ばっかり悪いな遊真。想像以上に毎日が幸せだよ。

亡き幼馴染に想いを馳せ、最後のひとくちを頬張った。



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