敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
 自分から望んだ展開でもあるのに、いざその場になるとつい怖気づいてしまう。

「待っ」

「待てない」

 キスで口を塞がれ、その間に隼人さんはあっという間にブラウスのボタンを外し終わった。隼人さんは器用すぎる。

 両肩に手をかけられ、すべり落ちるようにブラウスは脱がされた。上半身は薄手のキャミソールとブラジャーだけになり心許なさと肌寒さに身震いする。

「隼、人さん」

 キスの合間に訴えかけると隼人さんは口づけを終わらせ、私の頬を優しく撫でた。その温もりにホッとする。

「隼人さんの手、温かいです」

「未希の方がよっぽど温かいよ」

 そう言ってキャミソールの間から手をすべり込まされ、直接肌に彼の手が触れた。そのまま捲られていき、少し冷たく感じたのは私の体温がわずかに高いからなのかもしれない。

「んっ……じ、自分で」

 脱ぐと続けたかったが、キャミソールどころかブラジャーまでたくし上げられ、ずいぶんとあられのない格好になってしまった。

 自分で脱ぐのと、この状況ではどちらがマシだろうかと懸命に頭を働かせる。

「未希は俺に甘やかされていたらいいんだ。ほら手を上げて」

 悩んだ末、私は隼人さんの言うことを素直に聞くことにした。ムードも気の利いたセリフも浮かんでこない。されるがままだ。
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