敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「コーヒーを淹れる際の手際のよさや、棚の中になにがあるのかだいたい把握されているところから。引き出しに収納されている調味料の数や種類は、どう考えても料理をされる方のものです。今もハンバーグではなく、正確に鶏肉だって言い当てられましたし」
今まで家事が苦手で依頼をしてきた人たちをたくさん見てきたからわかる。
部屋はモデルルームさながらの綺麗さだが、彼の家にある調味料はどれも使いかけで、調理器具もそれなりにそろっている。そういった細かいところに彼が家でどんなふうに過ごしているのかが表れている。
とはいえ余計な質問だった。さっき彼のプライベートに踏み込まないと言ったばかりなのに。
けれど依頼主がどうしてうちのサービスを利用しようとしているのか、なにに一番困っているのかを、きちんと理解したうえで支えたいと思っている。完全な自己満足かもしれないけれど。
「君はよく人を見ているんだな」
呆れているのか、褒められているのか、社長の口ぶりからは判断できないが、怒ってはいないようだ。
「そう。実は家事は嫌いじゃないんだ。ただ、自分のためだけにするのが面倒で……。マンションにはレストランも、なんならクリーニングサービスもあるから最近はそれらを利用しているんだが、そればかりだとどうしても味気なく感じて」
なるほど。彼は忙しい人だから自分のために家事をする時間が惜しい一方で、すべてを外注するのは落ち着かないのだろう。
今まで家事が苦手で依頼をしてきた人たちをたくさん見てきたからわかる。
部屋はモデルルームさながらの綺麗さだが、彼の家にある調味料はどれも使いかけで、調理器具もそれなりにそろっている。そういった細かいところに彼が家でどんなふうに過ごしているのかが表れている。
とはいえ余計な質問だった。さっき彼のプライベートに踏み込まないと言ったばかりなのに。
けれど依頼主がどうしてうちのサービスを利用しようとしているのか、なにに一番困っているのかを、きちんと理解したうえで支えたいと思っている。完全な自己満足かもしれないけれど。
「君はよく人を見ているんだな」
呆れているのか、褒められているのか、社長の口ぶりからは判断できないが、怒ってはいないようだ。
「そう。実は家事は嫌いじゃないんだ。ただ、自分のためだけにするのが面倒で……。マンションにはレストランも、なんならクリーニングサービスもあるから最近はそれらを利用しているんだが、そればかりだとどうしても味気なく感じて」
なるほど。彼は忙しい人だから自分のために家事をする時間が惜しい一方で、すべてを外注するのは落ち着かないのだろう。