敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「なにより」
納得しかけていると、社長が苦々しく続けた。
「なにより?」
思わず先を促す形でおうむ返しに聞く。するとそこで車が止まり、社長の顔がこちらを向いた。
「両親が結婚しろと、うるさいんだ。なまじ俺が家事をできるのを知っているから、外食ばかりでろくに家事をしていない現状を知ったら、ますます結婚しろと言われる」
苦虫を噛み潰したような顔とはこういうのを言うのかもしれない。
「だったら家事代行サービスはいいんですか?」
「もちろん内緒にしている。母親がたまにマンションに顔を出すんだが、あまりにも生活感がないと家事をしていないのがバレるかもしれないからな」
同じ外注でも、家の外ですべてを完結させるより家の中で家事をしてもらった方がいいという理屈らしい。まさかの理由に目を丸くする。
信号が変わったからか、気まずさを感じたからか、社長の視線が再び前を向いた。
「社長という立場だと、いろいろ大変なんですね」
会社を背負う者として、私には想像もつかないような苦労があるに違いない。
「そうだな。結婚はしなければならないと思っている。もちろん家事をしてほしくて結婚するわけじゃないが、まだまだ封建的な世界で、それなりの立場になってくると既婚者の肩書きはやはり役に立つし重宝されるからな」
渋々といった口調につい苦笑してしまった。
「両親もそう思っているのか、まったく結婚する気配のない俺にしびれを切らして、この前は母が見合いをセッティングしたと突撃してきたこともあったんだ」
それはなかなかパワフルなお母さまだ。でも両親の話が出たからか、社長の本音が聞けたからか、つい親しみを感じてしまう。
納得しかけていると、社長が苦々しく続けた。
「なにより?」
思わず先を促す形でおうむ返しに聞く。するとそこで車が止まり、社長の顔がこちらを向いた。
「両親が結婚しろと、うるさいんだ。なまじ俺が家事をできるのを知っているから、外食ばかりでろくに家事をしていない現状を知ったら、ますます結婚しろと言われる」
苦虫を噛み潰したような顔とはこういうのを言うのかもしれない。
「だったら家事代行サービスはいいんですか?」
「もちろん内緒にしている。母親がたまにマンションに顔を出すんだが、あまりにも生活感がないと家事をしていないのがバレるかもしれないからな」
同じ外注でも、家の外ですべてを完結させるより家の中で家事をしてもらった方がいいという理屈らしい。まさかの理由に目を丸くする。
信号が変わったからか、気まずさを感じたからか、社長の視線が再び前を向いた。
「社長という立場だと、いろいろ大変なんですね」
会社を背負う者として、私には想像もつかないような苦労があるに違いない。
「そうだな。結婚はしなければならないと思っている。もちろん家事をしてほしくて結婚するわけじゃないが、まだまだ封建的な世界で、それなりの立場になってくると既婚者の肩書きはやはり役に立つし重宝されるからな」
渋々といった口調につい苦笑してしまった。
「両親もそう思っているのか、まったく結婚する気配のない俺にしびれを切らして、この前は母が見合いをセッティングしたと突撃してきたこともあったんだ」
それはなかなかパワフルなお母さまだ。でも両親の話が出たからか、社長の本音が聞けたからか、つい親しみを感じてしまう。