元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました
 そういえば、入れ替わった時は怖がられなかったな。
 当たり前か。あの時の俺は杏子の姿で、あの子にとっては母親なんだから。
 
 あれから何故かわからないが、風呂上がりだったあの子の顔が何度も頭をよぎるのだ。
 杏子にそっくりだったからかもしれない。
 
 ふと、ダイニングテーブルの上を見ると見覚えのある瓶を見つけた。

 どんぐり飴だ。杏子の部屋にあったのと同じもの……。
 思わず取り上げて見てしまった。

「なんだ? お前どんぐり飴に興味あるのか? 甘いもの食べられるようになったのか」
「いや……」
「それ、位牌堂にあったんだ。多分屋台の店主が光陽にくれたんだろう。こっちに持ってきたんだが、さすがに三歳児には大きすぎるだろう?」
「こうようはね、パインアメしかたべないんだよー」

 光陽は未だに父親の陰に隠れてはいるが、どうやら喋ってくれる気になったらしい。
 
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