妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
「あなたの判断は理解できた……だが、一つ指摘したいことがある。この本の写本が残されている可能性もあるのではないか?」
「……確かに、それはそうですね」
「それも見つけ出すべきか? もしも必要なら、俺からドルマニア王国に働きかけるが」
「そうですね……できれば、お願いします」

 私は、ゆっくりと本を魔力で持ち上げた。そのまま、私は本を魔法で燃やし尽くす。
 やがて本は跡形もなく消え去った。そこに残っているのは灰だけだ。

「……これで本当に終わりました。もうこの国が闇の魔力に悩まされることはないでしょう」
「ああ、そうだな……疲れているだろう? 少し休んだ方がいい」
「そうですね……そうさせてもらいます」

 今回の事件の黒幕は、本に宿った一人の復讐者が発端だった。
 彼女は、随分と好き勝手してくれた。その原因は悲惨なものではあるが、それは許されることではないだろう。
 少なくとも、私はエルネリスを許すつもりはない。彼女のせいで、私やホーネリアの人生は随分と滅茶苦茶になった。それは、到底許せることではない。
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