妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
「アグナヴァン様、本当に色々とありがとうございます」
「どうしたのだ、急に?」

 私は、ふとアグナヴァン様にお礼を述べていた。
 スウェンド王国の王城に帰って来てから、私はエルムルナ様の補助を続けていた。
 次期聖女として期待されながらも、平和な日々を送っていた私は、今日もいつも通りアグナヴァン様と夕食を取っていたのだ。

「あなたのおかげで、私の命は助かりました。それに、ドルマニア王国を救い、妹と和解することができました」
「別に、それは俺のおかげという訳ではない」
「いえ、あなたのおかげです」

 アグナヴァン様のおかげで、私には色々といいことがあった。
 それについて正式にお礼を言いたくなったのだ。
 ちなみに、妹のホーネリアは現在こちらの国で暮らしている。彼女にとって、私を見捨てた両親の元に帰るというのはあまり気が進まないことであったらしく、私についてくることにしたようだ。
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