妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
「確かに、私は魔力を失っています。ですが、それはホーネリアに奪われたからに他ありません。私の部屋にあった魔導書に関しても、彼女が持ち込んだものでしょう。どうやって持ち込んだのかは、わかりませんが……」
「ふむ……それでは、まったく反論にはなっておらんな。せめて、お主の魔導書がどうやって持ち込まれたのかを証明してもらわんと話にならん」

 国王様の言っていることは、悔しいことだが私も理解できる。
 今の私の反論は、正直言って弱い。口で言うだけなら、なんでもいえる。証拠を出さなければ、どうしようもない。
 ただ、私にはその証拠を掴む時間がなかった。私を信用する人もいなかったので、ろくに調査もされていない。そんな状況であるため、理解はできても納得することはできないのである。

「潔く罪を認めて、恩赦を願うつもりはないのか? ホーネリアに謝罪し、許しを請えば、寛大な措置が取られる可能性がある」
「……ありません。私は、彼女を陥れていません。彼女が、私を陥れているのです」
「まだ、そんなことを言うか……どうやら、お主はかなり往生際が悪いということか」
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