妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
 対策を考える。それも、本来であれば必要がないことだ。
 エルムルナ様は、どこまでいっても他国の人間である。あちらの国の事柄に関わる必要はない。
 彼女は、とても優しい人だ。その性格故、他国のことでも放っておけないのだろう。

「しかしながら、これは非常に難しい問題です。あちらの国にこちらから呼びかけても、無駄でしょうからね……」
「ええ、そうだと思います……」
「ですが、見過ごすことはできません。とりあえず、殿下に働きかけてもらいましょうか。彼は、あなたの事柄で色々とあちらの国に働きかけるつもりのようですから、丁度いいはずです」

 エルムルナ様は、ゆっくりと立ち上がり行動を開始した。
 そんな彼女の背中を、私はただ見つけることしかできない。

 ドルマニア王国は、私にひどい仕打ちをした。そんな国のために動きたいとは、あまり思えなかったのだ。
 だが、私はすぐに頭を切り替える。現在の私の役割は、エルムルナ様の補佐だ。例え、祖国に思う所があっても、その役割は果たさなければならない。
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