再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
子育てを手伝ってくれているアイビンから、この子は特別癇癪のキツい子だと認定を受けていた。気難しいらしい。セーラは慣れない育児に睡眠不足が重なり挫けてしまいそうだった。
(でも、私がやらなきゃ、この子殺されちゃうんだから……)
予想通り、国王ならびに貴族からも大反対を受けた魔王育てだ。最高位の聖女の一存で引き取った魔王を代わりに育ててくれるものなどいない。
セーラがギブアップしたら、この子に待っているのは死だけだ。
そんなのは絶対、許せなかった。
(私ががんばらなきゃ!!)
己の手に課せられた命は重かった。セーラは投げ出さず、泣き続ける赤ちゃんをあやし続けた。
やっと赤ちゃんが泣き止んだころには朝方だ。朝の光が照らすベッドでセーラと赤ちゃんはぐったり眠っていた。
「あー」