静穏総長も、時には激しく愛したい

「おい、嬢ちゃんが戦えるなんて聞いてねーぞ? それとも、たまたまか?」

「”たまたま”? バカ言わないで……」



来たる見合いの日に備え、澄は色んな美容を予約してくれた。だけど、備えるものは多岐に渡って……



『いいですか、お嬢様。世の中物騒なので、いざと言う時の護身術を授けます。例えば、捕まった時の抜け出し方は、こう』

『いたた!』

『相手の急所を狙う時の体の動かし方は、こう』

『いたたたた!』



思い出す、筋肉痛の日々。

学校が終わった後。家の庭で、澄から直々に教わっていたもの。それが、護身術だ。



「お嬢様もね、自分の身は自分で守れるよう訓練されてるの。

だから……

”たかがお嬢様”って、バカにしないで!」


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