冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
 ソファに並んで座って、左京がいれたコーヒーを飲む。蛍が『ミルクたっぷり砂糖なし派』であることを彼は覚えてくれたようだ。

「おいしい。ありがとうございます」
「こちらこそ。今夜の夕食も絶品だった」

「そういえばさっき、如月さんから電話があったんです。向こうも大きなトラブルは起きてないようでしたが、赤霧会のことなにかわかりましたか?」
「警視庁にいた頃の同僚が今も赤霧会を担当しているから情報は得ている。やはり賭博規制への牽制が動機のようだな。具体的になにをする気なのかは不明だが、規制賛成派の人間を広く探っているようだ。海堂家も蛍以外の人間もマークされている」
「私以外にも……」

 蛍は覚悟を決めて、彼に進言した。

「左京さん。もし赤霧会が行動を起こすなら、ターゲットは私ではなく別の人になると思います」
「なぜ断言できる?」
「……海堂家は私がどうなろうときっと気にも留めません」

 唇だけで薄く笑んで、蛍は続ける。

「人質の価値がない私を狙うだなんて、赤霧会も結構間抜けですよね。でも、彼らもきちんと調べたらきっと気づくと思うから」
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