冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
 夜の世界は暴力団との関わりが深い。赤霧会と付き合っているとなると、まともな店ではないだろう。

「最近のあいつらの動向などの情報を得ることができたんですけどね」
「なにかおもしろい動きがあったのか?」

 左京は前のめりに聞いたが、島は小さく肩をすくめた。

「それがむしろ逆で……おとなしいんですよ、赤霧会」

 ここ一週間ほど、海堂家にもほかの与党議員のところへも嫌がらせをしていないとのことだった。尾行をされたなどの報告もなし。

(蛍に手を出しづらくなったから別のターゲットを探しているのかと思ったが、それもやめたってことか)

「諦めたんですかね~。犬伏がそんなタマかな」

 島が首をかしげる。納得いかないという顔だ。

 たしかに赤霧会のトップである犬伏は実行力に定評のある男、今の地位も力づくで奪ったはずだ。

「ほかに大きなトラブルが起きてそちらに注力せざるを得なくなった、などの線は?」

 赤霧会はその狂暴性から裏社会にも敵が多い。ほかの組と抗争になりかけているとかはありえそうな話だ。

「調べた範囲では聞こえてきません」
「……そうか」
< 164 / 219 >

この作品をシェア

pagetop