冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
自分だったらそんな男の子どもを育てたいとは思わないし、母の気持ちは今でもよく理解できない。
母はいつも『私たちはふたりきりの家族だからね』と蛍に言い聞かせていた。海堂家の邪魔をしてはいけないという意味だったのだろう。彼女はその誓いを守ってひっそりと生き、あっけなく亡くなってしまった。
治郎の妻も蛍にとっては腹違いの弟になる海堂家の跡取り息子も、すべて知ってはいるそうだ。けれど母の死も蛍の存在もなかったものとして扱われている。
(まぁ、あちらの立場ならそう思うか)
治郎の妻と弟を憎む気持ちはまったくない。でも海堂治郎だけは絶対に応援したくない。この思いは一生変わらないだろう。
蛍の預金口座に入っている大金は治郎から毎月送られてくるお金だ。一応は社会人として自立した以上、嫌いな男の援助にはなるべく頼りたくない。そんな理由から身の丈に合ったマンションで暮らしているのだ。
短いニュース番組が終わり、大勢のタレントが出演する賑やかなバラエティが始まった。治郎の顔を見ているよりこちらのほうがずっと楽しい。
母はいつも『私たちはふたりきりの家族だからね』と蛍に言い聞かせていた。海堂家の邪魔をしてはいけないという意味だったのだろう。彼女はその誓いを守ってひっそりと生き、あっけなく亡くなってしまった。
治郎の妻も蛍にとっては腹違いの弟になる海堂家の跡取り息子も、すべて知ってはいるそうだ。けれど母の死も蛍の存在もなかったものとして扱われている。
(まぁ、あちらの立場ならそう思うか)
治郎の妻と弟を憎む気持ちはまったくない。でも海堂治郎だけは絶対に応援したくない。この思いは一生変わらないだろう。
蛍の預金口座に入っている大金は治郎から毎月送られてくるお金だ。一応は社会人として自立した以上、嫌いな男の援助にはなるべく頼りたくない。そんな理由から身の丈に合ったマンションで暮らしているのだ。
短いニュース番組が終わり、大勢のタレントが出演する賑やかなバラエティが始まった。治郎の顔を見ているよりこちらのほうがずっと楽しい。