冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
「もともとはそれなりに大きな暴力団だったが自滅に近い形で弱体化してな、今は残党だけの小規模な組織だが、そのぶん先鋭化している。裏社会のなかでもとくに危険な存在だ」

 左京が補足してくれたが、聞いたことがあるようなないような……蛍の認識はその程度だった。

「その赤霧会と海堂さんの間にトラブルが起きているんですか?」

 意地でも〝お父さん〟とは言いたくないので、蛍は彼のことを名字で呼ぶようにしている。蛍の質問に晋也は不本意そうにうなずいた。

 黒い付き合いがバレたとか、そういうことだろうか。昨今の暴力団排除の勢いはすさまじいので、一緒に映っている写真一枚でも政治家としてはおしまいだろう。

(だとしても自業自得よね)

 同情する気なんてさらさら起きない。

「海堂先生は反社会的勢力との付き合いなどありません。それは蛍さんにも信じてほしい」

 晋也の目が切実なので、蛍は渋々首を縦にふる。

「わかりました。でもそれならどうして?」

 答えたのは左京だ。

「赤霧会の大きな収入源のひとつは違法賭博だ。オンラインカジノや地下賭場でかなりの利益を得ている」
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