冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
 賭けごとは競馬や宝くじのような公営のもの以外は禁止。蛍の知識はその程度で、違法賭博というのがどういうものなのかはよくわからない。なので黙って話しを聞くことにする。

「だが、与党はこの違法賭博への規制を強める方向で動いていてな。公営カジノ構想なんてやつもあるし、それでなくても暴力団の資金源はつぶすにこしたことはない」

 つまり赤霧会としては嬉しくない状況ということなのだろう。

(与党はここ十年以上ずっと、あの人も所属している『立憲平和(りっけんへいわ)党』よね)

 今度は晋也が口を開いた。

「海堂先生はこの取り組みの中心人物です。赤霧会はおそらくそれを邪魔したくて、嫌がらせをしてきているのでしょう」

 晋也の話によると、治郎の事務所付近に不審な車が停まっていたり、脅しじみた嫌がらせがあったようだ。

「海堂治郎は当然警察に相談しているが、向こうもそこは巧妙でな。はっきりと赤霧会を匂わせるようなことはしていないんだ。だから警察としては、現状は警戒しかできない」

 つかまえる証拠がないという意味だろう。
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