冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
「眠気覚ましにコーヒーを飲んでもいいか? ついでに初心者向けのバレエの楽しみ方をもう少し詳しく教えてほしい」
つまらなかった。そう切り捨ててしまうのではなく、彼なりに蛍の趣味に付き合ってくれようとしていることは純粋に嬉しかった。
ホールに併設されているカフェに入る。意外と本格的な店のようで、コーヒーのほろ苦い香りが静かなジャズの音色とともに流れてきた。
カウンター席に並んで座り、他愛ないお喋りを続ける。
「ストーリーがわからないと気になってしまうタイプなら、王道の『ロミオとジュリエット』や『くるみ割り人形』を選ぶのがいいと思います」
「ロミオとジュリエットはわかるが、くるみ割り人形のほうは……どんな話だ?」
誰もが知っている物語だと思っていたが、どうやらそうではなかったらしい。
もちろん逆もあって、彼が当然のように語る内容が蛍には初耳だったり……彼と自分の世界の違いをあらためて実感する。でもそれは残念なことではなくて、視野を広げるチャンスなのだろう。
(人と関わるのって楽しいことでもあるんだな)
小学生みたいな気づきを今さら得た自分に、思わず苦笑してしまった。
つまらなかった。そう切り捨ててしまうのではなく、彼なりに蛍の趣味に付き合ってくれようとしていることは純粋に嬉しかった。
ホールに併設されているカフェに入る。意外と本格的な店のようで、コーヒーのほろ苦い香りが静かなジャズの音色とともに流れてきた。
カウンター席に並んで座り、他愛ないお喋りを続ける。
「ストーリーがわからないと気になってしまうタイプなら、王道の『ロミオとジュリエット』や『くるみ割り人形』を選ぶのがいいと思います」
「ロミオとジュリエットはわかるが、くるみ割り人形のほうは……どんな話だ?」
誰もが知っている物語だと思っていたが、どうやらそうではなかったらしい。
もちろん逆もあって、彼が当然のように語る内容が蛍には初耳だったり……彼と自分の世界の違いをあらためて実感する。でもそれは残念なことではなくて、視野を広げるチャンスなのだろう。
(人と関わるのって楽しいことでもあるんだな)
小学生みたいな気づきを今さら得た自分に、思わず苦笑してしまった。