スカウトしたはずのイケメン御曹司からプロポーズされました
最近プロポーズされた「先輩」の背中を押すためにここに来たことは、早々に明かしていた。どんな言葉が飛び出すかと冷や冷やしながらも、舞台度胸の足りない私は陰で見守ることしかできない。
「先輩の腰が引けてたので、代わりに私が着てみたんです」
「あら、そうなの」
さすがはウチの看板女優。するりと相手の懐に潜り込み、この不可思議な状況もあっさり呑み込ませてしまった。
気付けば自然な成り行きで隣に腰を下ろしていて、早くも彼女の独壇場である。
「だけどそのドレス、あなたが着てしまって良かったの? ほら、結婚前にウェディングドレスを着ると婚期を逃すっていうじゃない」
「そうなんですか!? 初めて聞きました」
奈央子が驚きの声を上げる。
この距離では彼女の反応が演技なのか本当に知らなかったのか判断がつかないが、どちらにしろ古い迷信に動揺するような子ではない。案の定けろりとしている。
「まあ、少しくらい婚期が遅れたところで私は大丈夫です。本当に好きな人と巡りあえたら、それだけで」
「ダメよ!」
強い口調で釘を刺してから、文乃さんは相手が見ず知らずの女性であることに思い至ったらしい。少々言葉を選びながら、それでも「結婚するなら早いに越したことはない」と持論を語っていた。
「だって……子供が欲しいと思ったら、のんびりしてはいられないでしょう?」
「子供ですか?」
「先輩の腰が引けてたので、代わりに私が着てみたんです」
「あら、そうなの」
さすがはウチの看板女優。するりと相手の懐に潜り込み、この不可思議な状況もあっさり呑み込ませてしまった。
気付けば自然な成り行きで隣に腰を下ろしていて、早くも彼女の独壇場である。
「だけどそのドレス、あなたが着てしまって良かったの? ほら、結婚前にウェディングドレスを着ると婚期を逃すっていうじゃない」
「そうなんですか!? 初めて聞きました」
奈央子が驚きの声を上げる。
この距離では彼女の反応が演技なのか本当に知らなかったのか判断がつかないが、どちらにしろ古い迷信に動揺するような子ではない。案の定けろりとしている。
「まあ、少しくらい婚期が遅れたところで私は大丈夫です。本当に好きな人と巡りあえたら、それだけで」
「ダメよ!」
強い口調で釘を刺してから、文乃さんは相手が見ず知らずの女性であることに思い至ったらしい。少々言葉を選びながら、それでも「結婚するなら早いに越したことはない」と持論を語っていた。
「だって……子供が欲しいと思ったら、のんびりしてはいられないでしょう?」
「子供ですか?」