スカウトしたはずのイケメン御曹司からプロポーズされました
「まさかあの子がお芝居なんて」
「でも、格好良かったですよ」
不意に掛け値なしの本音が飛び出し、私も無意識のうちに首肯していた。
そうだ、貴博さんは格好いいのだ。文乃さんまで「そうなの?」と、まんざらでもなさそうな顔になる。
「あの公演の後、貴博さんがプロポーズしたんですよね?」
「あ、えっと……うん」
急に振られてぎこちない動作で頷くと、隣から更なる視線を感じた。このアドリブ音痴に、何か言えということだろうか。
「でも、あの……」
気の利いた台詞が出てこないまま口をパクパクさせていると、見切ったように次の台詞が飛んでくる。
「もしかして、私が余計なことをしてしまったんですかね?」
「へ?」
「二人がお似合いだと思ったから、私が深雪さんをせっついたんです」
その表情が次第に曇り、奈央子は私の色恋沙汰に首を突っ込むまでの経緯をぽつぽつと話し始めた。だいぶ美化されているような気がしたが、真実を知らない文乃さんにとっては彼女の口から語られたことが全てである。
おまけに奈央子の演技力を知らなければ、コロッと騙されてしまうような自然な感情のグラデーションが目の前で繰り広げられていた。
「でも、格好良かったですよ」
不意に掛け値なしの本音が飛び出し、私も無意識のうちに首肯していた。
そうだ、貴博さんは格好いいのだ。文乃さんまで「そうなの?」と、まんざらでもなさそうな顔になる。
「あの公演の後、貴博さんがプロポーズしたんですよね?」
「あ、えっと……うん」
急に振られてぎこちない動作で頷くと、隣から更なる視線を感じた。このアドリブ音痴に、何か言えということだろうか。
「でも、あの……」
気の利いた台詞が出てこないまま口をパクパクさせていると、見切ったように次の台詞が飛んでくる。
「もしかして、私が余計なことをしてしまったんですかね?」
「へ?」
「二人がお似合いだと思ったから、私が深雪さんをせっついたんです」
その表情が次第に曇り、奈央子は私の色恋沙汰に首を突っ込むまでの経緯をぽつぽつと話し始めた。だいぶ美化されているような気がしたが、真実を知らない文乃さんにとっては彼女の口から語られたことが全てである。
おまけに奈央子の演技力を知らなければ、コロッと騙されてしまうような自然な感情のグラデーションが目の前で繰り広げられていた。