スカウトしたはずのイケメン御曹司からプロポーズされました
「だって貴博って、ものすごく頭が良くてものすごく我の強い子だもの。打算だけで近づいてくる貧相な女には、きっと手に負えなくなるわ」
「確かに」
思わず呟くと、彼女は苦笑した。
「だからもっとおおらかで育ちのいいお嬢さんとお見合いさせたつもりだったんだけど、あれはダメね。お互いのワガママがぶつかっちゃって」
そして最後に毛色の違う歌舞伎役者の娘を連れてきた。彼女の試行錯誤が伺える。
「ねえ、深雪さん」
「は、はい」
呼称が名字から名前に変わっていたことにハッとして、改めて居住まいを正す。
「以前お会いした時は失礼な物言いをしてしまったけれど、私だってあなたが貴博のお友達なら大歓迎なのよ。息子も夫も口を揃えて『面白い』というのだから、本当に面白い人なんでしょう」
文乃さんの口から、初めて肯定的な評価をいただいた。それは息子と夫に対する信頼でもあるらしい。
「でも、結婚には反対だから」
「……どうしてですか?」
「だってもう、跡取り問題はこりごりなの」
ぽつりとこぼした言葉に、隣で奈央子が唸っていた。
「ああ、脚本家を目指す深雪さんに家庭に入る的な感覚はないですからね。貴博さんもあの調子だから結婚しても子供はいいやとなりかねないし、母親としては『お見合いをセッティングしてきた意味は』ってことなんでしょう」
「奈央子さんもそう思う?」
「確かに」
思わず呟くと、彼女は苦笑した。
「だからもっとおおらかで育ちのいいお嬢さんとお見合いさせたつもりだったんだけど、あれはダメね。お互いのワガママがぶつかっちゃって」
そして最後に毛色の違う歌舞伎役者の娘を連れてきた。彼女の試行錯誤が伺える。
「ねえ、深雪さん」
「は、はい」
呼称が名字から名前に変わっていたことにハッとして、改めて居住まいを正す。
「以前お会いした時は失礼な物言いをしてしまったけれど、私だってあなたが貴博のお友達なら大歓迎なのよ。息子も夫も口を揃えて『面白い』というのだから、本当に面白い人なんでしょう」
文乃さんの口から、初めて肯定的な評価をいただいた。それは息子と夫に対する信頼でもあるらしい。
「でも、結婚には反対だから」
「……どうしてですか?」
「だってもう、跡取り問題はこりごりなの」
ぽつりとこぼした言葉に、隣で奈央子が唸っていた。
「ああ、脚本家を目指す深雪さんに家庭に入る的な感覚はないですからね。貴博さんもあの調子だから結婚しても子供はいいやとなりかねないし、母親としては『お見合いをセッティングしてきた意味は』ってことなんでしょう」
「奈央子さんもそう思う?」