スカウトしたはずのイケメン御曹司からプロポーズされました
「もしかして、貴博さんの弟くん?」
キョトンとして固まってしまった私ではなく、奈央子の方が立ち上がり、彼に歩み寄りながら問い掛けた。
「まあ、うん。お姉さんが兄ちゃんの彼女?」
「私じゃなくて深雪さんがね。あ、彼女じゃなくて婚約者だそうだけど」
「へえ」
兄に負けず劣らず不躾で直球勝負な彼は、こちらに視線を寄越すと小さく首を傾げた。ちらちらと女二人を見比べる眼差しからは「こっちの方が美人じゃないか」という真っ当な疑問を感じる。
分かるよ、分かるけど……貴博さんは物好きなのだ。
「初めまして、越智深雪です」
ひとまずこちらも立って自己紹介をしてみると、彼はコクリと頷くような会釈をして口を開いた。
「どうも、瀬尾貴晴です」
……セオタカハル?
「貴晴!」
ふっと湧いた疑問は、彼より更に勢いよく登場した文乃さんの声によって一度かき消える。
「家庭教師の先生が来てないって、あなた今度は何したの?」
少年はあからさまに不機嫌になった。
「別に。ただ俺のこと馬鹿だと思ってる先生に教わったところで成績が上がるとは思えないから、もう来なくていいっつっただけ」
「お母さんが一生懸命お願いして、ようやく来てもらった先生なのよ」
「知らねえよ」
キョトンとして固まってしまった私ではなく、奈央子の方が立ち上がり、彼に歩み寄りながら問い掛けた。
「まあ、うん。お姉さんが兄ちゃんの彼女?」
「私じゃなくて深雪さんがね。あ、彼女じゃなくて婚約者だそうだけど」
「へえ」
兄に負けず劣らず不躾で直球勝負な彼は、こちらに視線を寄越すと小さく首を傾げた。ちらちらと女二人を見比べる眼差しからは「こっちの方が美人じゃないか」という真っ当な疑問を感じる。
分かるよ、分かるけど……貴博さんは物好きなのだ。
「初めまして、越智深雪です」
ひとまずこちらも立って自己紹介をしてみると、彼はコクリと頷くような会釈をして口を開いた。
「どうも、瀬尾貴晴です」
……セオタカハル?
「貴晴!」
ふっと湧いた疑問は、彼より更に勢いよく登場した文乃さんの声によって一度かき消える。
「家庭教師の先生が来てないって、あなた今度は何したの?」
少年はあからさまに不機嫌になった。
「別に。ただ俺のこと馬鹿だと思ってる先生に教わったところで成績が上がるとは思えないから、もう来なくていいっつっただけ」
「お母さんが一生懸命お願いして、ようやく来てもらった先生なのよ」
「知らねえよ」