フラれたはずなのに、なぜか迫ってくる

翌日。


昨日は吹奏楽部に入っている怜実が部活だったから、


紗奈ちゃんにしか相談が出来なかったけど、


紗奈ちゃんは情報通なのか『大人っぽい綺麗なお姉さん』の見本で私好みで


ある人をあっさり見つけてくれて、


おすすめのボディケア用品やメイク用品を教えてくれてた。


そして、お互いの親が許してくれたおかげで夜遅くまで


ボディケア・メイクの練習をすることが出来た。


紗奈ちゃんは「彩ちゃん、飲み込みが早いから1週間で上達しそう!さすが彩ちゃんだ!」
なんて言ってきた。


勉強に関しては、あまり得意でなくて、クラスでは下位にいがちだけど。


好きなこと・頑張りたいことに関しては、


勉強が得意な人たち並みに出来たりする。


時々、これをどうにかして勉強に移したい、だなんて思ったりしてる。


そう昨日のことを振り返るように頭で考えてきた時、


朝の第一声として龍輝が声をかけて来た。


「おーす、彩。…めちゃ可愛いじゃん」


挨拶して来て、いつもの調子でからかうのかなと思ったら。


龍輝は一瞬固まって、何とか出した言葉は”可愛い“。


龍輝のことだからと思い、私は龍輝に引け目な視線を目に向ける。


「龍輝!え〜…龍輝がそう言うのはちょっと疑うんだけど…」


「いやいや今回に限っては真面目!すげー褒めてる」


「そう?…じゃあ、ありがと」


龍輝が普段意地悪すぎて素直に褒めてくれるなんて珍しいから、何かちょっと調子狂うな…。


「けど急にどうした?


もしかして、あいつらに言われたこと気にしてメイク始めたん?」


私の変わりように不思議そうに思った龍輝は、


昨日のことを思い出して私に聞いて来た。


「あはは…それもあるんだけど、先輩、


『大人っぽい綺麗なお姉さん』が好きなタイプだって聞いちゃって」


「うっわ、真逆じゃん!彩って、“大人っぽくて綺麗”って言うよりかは


“子供らしくて可愛い”が合ってるよな」


「龍輝、ディスってるなら、怜実呼ぶよ?」


「げ、それは勘弁!古谷怒ったら怖いのお前も知ってるだろ?」


そう。私の親友は怖い。


怒り狂って喚くのではなく、圧する顔でひたすら相手に語る、


という怒らせたら怖いタイプの上位にいるであろうタイプなのだ。


私が龍輝以外の男子に嫌がらせされた時とか、


先輩のクラスメイトである女子3人組みたいな一軍女子集団に目をつけられて


あからさまな悪口を言われた時とか、


怜実は私が人に怒れない性格なのを知っているからよく助けられた。


改めて思う。私の周りには心強い味方がたくさんいて、


それが恵まれてるってこと。


「ま、可愛いのは本当のことだから自信持て。


あ、でもここで言う場合は綺麗って言うべきか。


じゃあ、キュート&セクシーで!」


龍輝は、お調子者のバカな幼なじみだけど。


「ありがとうっ、龍輝」


メンタルが強すぎる心強い最強の幼なじみだ。
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