フラれたはずなのに、なぜか迫ってくる
「あれからちゃんと食事取ってるみたいで良かった。


俺、どんな小桜さんも好きだけど、


やっぱり美味しいもん食べて笑ってる小桜さん1番可愛…」


「!柊先輩、後ろ…」


「?後ろ?…げ、櫂」


ニコニコ穏やかに話している柊先輩は、


私のか細い声をかけられて後ろを振り向くと、


柊先輩の後ろから櫂先輩が柊先輩に対して、


容赦ないとんでもない圧をかけながら背後に立っていた。


「柊、俺の代わりに出てくれてありがとね。


でも、俺今日直の仕事終わって、もうだいじょーぶだから、


ダル絡みしてくるあいつらの相手しといて」


櫂先輩が後ろ指指す人たちは、


約3週間前に見かけた、ちょっと嫌な雰囲気を出す男子生徒3人。


「はぁ!?人使い荒いわ!俺あいつら苦手なんだけど!?」


「まーまー、今日だけお願い?今日は俺らデートだし?」


「ったく、惚気やがって!じゃあ年明けたら購買の超SSRの毎年3個しか


販売しないスペシャルミックスパン、絶対買えよ!」


「毎年思うけど…それ美味しいの?」


「最上級に美味いっての!食べないなんて人生の損失だからな!」


「柊の舌、疑うわ、色々」


「はぁ!?」


この2人、いつもこんな感じなのかな…?


龍輝vs怜実・紗奈ちゃんと同じような光景だから、何か見てて楽しいや。


「って、あ、彩、ごめん。こっちだけで会話してた。


デートの時間無くなっちゃうから、早く行こう」


「あ、はい」


ごく当たり前かのように、何でもない顔をして、


スッと私の手に絡める櫂先輩。


先輩の男らしいひんやりとした手に、ふと感じる。


…やっぱり、先輩って、大人、だよな。


年上がタイプって言うの分かりたくなくても分かる、気がする。


今、先輩の彼女である私は、


先輩の好きなタイプをこの先、


どんな努力をしようと一生上回れなかったりするのかな…。
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