名前のない星座
勢いがすごい。どちらかといえば控えめな印象の津雲さん、こわがってないか?
最悪フォローに入れるように近くにいると、津雲さんはおそるおそる口を開いた。
「部活を、手伝ってもらいたくて…。雨美先輩はいろんな部活を復興させたり存続させてきたって先生やほかの先輩たちに聞いたので」
「そんなたいそうなことしてないよ」
「そう、こいつのはしつこいだけ」
「銀ちゃん、きみ、わたしのフォローをするためにここにいてくれてるんじゃないの?」
「おれは津雲さんのフォローをするためにいるだけだから」
「どちらにせよだよ。…今廃部になりそうな部活なんてあったっけな」
たしかに。部活は豊富なぶん、人数が集まっていなくても同好会としての活動は基本的にできる。何年か無所属が続いたり全く活動してる様子がないと廃部になるみたいだけど、線引きは緩いほうだと思う。
「いえ、廃部になりそうとかじゃなくて、大会での成績がここ数年は低迷していて、このままじゃ歴史ある部の活気がどんどんなくなってしまう気がするんです」
「部活に活気が失われていくのはまずいね。何部?運動部?」
「はい。……水泳部です」
たしかに水泳部って、学園長室の前にトロフィーと賞状は飾ってあるけど少なくともおれが入学してからは特に音沙汰ないな。過去の栄光がいつのものかも知らない。
「津雲さん、水泳部にこのひとは期待しないほうがいいよ。水泳の授業いつもサボってるから苦手なんだと思う」
一応人の子だから苦手なこともあるらしい。ほかのスポーツは基本的に万能にこなしているけど。