世界で一番好きな人
「早くどんどんパンケーキ作って!今日もきっとお客さんたくさん来るだろうから、今のうちにたくさん作り置きしとくぞー!」


「あ、茉莉花!廊下行くならついでに調理室からフルーツ入ってるダンボール持ってきて!」


「はーい」



忙しすぎて千瑛と回るどころじゃないけど、この文化祭の忙しさは割と好きだ。


今日は回れるといいけど、一応昨日回る約束だったわけだし、今日は無理かな…。



そんなことを考えながらダンボールの箱を抱えて教室に戻っていると、ひょいっと横から箱を取られた。



「昨日は大盛況だったなー俺らのクラス。わんちゃん売り上げ賞一位もらえんじゃね?」



千瑛がにっと眩しい笑顔で笑いかけてきた。



「だといいよねー。景品、学食一年無料券だよ?絶対ほしい!」


「あはは、色気のないやつだな」



千瑛にべしっと頭を叩かれ、思わず頰が熱くなる。
< 9 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop