淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
キョロキョロと周囲を見回してその姿を探すけれどやはりどこにもいない。
まさか、本当に見失った?

スッと血の気が引いていく感覚がする。
今日のために変装して仕事まで休んだのに、こんなに安安と失敗するわけにはいかない。

なにがなんでも彼女の有無を突き止めないと!
そんな気持ちが麻里奈を急かした。

早足で喫茶店から離れようとしたそのときだった。
喫茶店を曲がった狭い路地にTシャツのジーパン姿の戸倉瑞樹を見つけて麻里奈は慌てて陰に隠れた。

消えたように見えたけれど、この路地に入っただけだったみたいだ。
ひとまずホッと胸をなでおろす。
これで尾行を続行できる。

でも、こんなところでなにしてるんだろう。
そう思って陰から顔をのぞかせて見ていると、戸倉瑞樹が突然しゃがみこんだ。

そしてなにかを手にして立ち上がる。
< 110 / 184 >

この作品をシェア

pagetop