淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
『そうですよね。猫は好きですよね?』
『す、好きです』

『それならあの子をうちの子にしましょう』
そう言うが早いか、戸倉瑞樹は早足で公園へ向かったのだ。

もちろん麻里奈もついて言った。
ついさっきエサを食べたばかりの三毛猫は怠慢な動きで茂みから顔をのぞかせて、そのまま戸倉瑞樹の腕に抱かれてマンションへと戻ってきた。

今もきっと、隣の部屋で朝ごはんをもらっていることだろう。
そんなこんなの経緯があり、今朝になっていた。

「私と戸倉さんはそんな関係じゃないの。エッチがすべてじゃないんだから」
本当は早く関係を持ちたくてしかたなかった。

付き合い出したのだからとベッドに押し倒してしまいたかった。
だけどできなかった。

いつか鈴子が言っていたとおり、この関係は大切にしないといけない。
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