最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 人間と悪魔の、圧倒的な体力差もあるだろうと思う。長期戦になれば、絶対に圧倒的に不利だ。

 その状況を思って、サードはそわそわとして落ち着いていられないでいた。しかし、ふと、悪魔の身体に『焦げたような切り傷』がついている事に気付いて「あれ?」と身体の動きを止める。

 不思議なことに、超治癒再生が遅れてを取っているかのように、悪魔の身体には他にも小さな焦げ痕がいくつか付いているのが目に留まった。

 悪魔が火に弱いとは聞いた事がない。そもそも、あれくらいの火傷くらいなら、半悪魔体である今のサードでも一瞬で直ってしまうから、その焦げ痕がある様子を不思議に思った。

「なぁ、会長って炎系の魔法でも使えるのか?」

 振り返って疑問を口にした。すると、体力温存とばかりに腰を降ろしていたエミルとソーマが、こちらを見て首を横に振ってきた。

「違うよ~、サリファン君。僕達の使っている剣は『聖なる加護』があるから、魔物とか悪魔は触れないんだ」
< 260 / 345 >

この作品をシェア

pagetop