離婚記念日
両親は政略結婚だった。けれどふたりを見ていると幸せそうだし、恋愛でなくてもこんな関係になれるのだと思っていた。
でも莉美と出会ってから、この子しかいないと決めていた。
両親には付き合いのある会社の娘さんを何度勧められたかわからない。いくら説明しても両親には理解してもらえなかった。政略結婚でも幸せなふたりには俺の考えが分からないのだろう。
何度話しても理解してもらえず、俺は強行突破で両親に伝えることなく、莉美が卒業と同時に籍を入れた。
それなのに莉美が俺の前から消えてしまった。
両親の差金だった。
両親にとって利益のある結婚は俺の足元を固め、将来を強固なものにするためには絶対的不可欠に思えたのだろう。
俺に内緒で裏から手を回すやり方に心底うんざりした。実の両親とは思えないやり方にどれだけの怒りが湧いたかわからない。
もちろん反抗した。
跡を継ぐのさえ辞めようと思った。
莉美を失い、正直荒んでいた。
でもある日、莉美の残していった貝殻を見てなんだか優しい気持ちになれた。
俺の力が足りないから両親は政略結婚をさせようとしていた。なら力をつけたら良い。力をつけて莉美を迎えに行こう、と。
地の果てまで莉美を探すつもりで俺は証券会社を退職した。
それからは死にものぐるいで働いた。今まで培ってきたノウハウもあるが、自ら精力的に活動した。そしてここまでやっときた。
4月からは今の部署を出て経営に携わることになった。今までよりもさらに中核を担うことになる。
父の力ではなく、ようやく3年かけてここまで登ってきた。
結婚相手に助けてもらわなくてもやっていけると証明してきた。
4月になったら莉美を探そうと決意していた。
でも莉美と出会ってから、この子しかいないと決めていた。
両親には付き合いのある会社の娘さんを何度勧められたかわからない。いくら説明しても両親には理解してもらえなかった。政略結婚でも幸せなふたりには俺の考えが分からないのだろう。
何度話しても理解してもらえず、俺は強行突破で両親に伝えることなく、莉美が卒業と同時に籍を入れた。
それなのに莉美が俺の前から消えてしまった。
両親の差金だった。
両親にとって利益のある結婚は俺の足元を固め、将来を強固なものにするためには絶対的不可欠に思えたのだろう。
俺に内緒で裏から手を回すやり方に心底うんざりした。実の両親とは思えないやり方にどれだけの怒りが湧いたかわからない。
もちろん反抗した。
跡を継ぐのさえ辞めようと思った。
莉美を失い、正直荒んでいた。
でもある日、莉美の残していった貝殻を見てなんだか優しい気持ちになれた。
俺の力が足りないから両親は政略結婚をさせようとしていた。なら力をつけたら良い。力をつけて莉美を迎えに行こう、と。
地の果てまで莉美を探すつもりで俺は証券会社を退職した。
それからは死にものぐるいで働いた。今まで培ってきたノウハウもあるが、自ら精力的に活動した。そしてここまでやっときた。
4月からは今の部署を出て経営に携わることになった。今までよりもさらに中核を担うことになる。
父の力ではなく、ようやく3年かけてここまで登ってきた。
結婚相手に助けてもらわなくてもやっていけると証明してきた。
4月になったら莉美を探そうと決意していた。