ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
「いや、猫はいないな。

 ……いないと思うが。

 いるのか? 村正」
と村正に尋ねはじめる。

 いや、ここ、あなたのご自宅では……?

 だが、問われた村正も家政婦らしきおばあさんを振り返り訊いていた。

「ユキエさん、猫いるんですか? この家」

 ……何故、みんな自分ちに猫がいるかどうか知らないんだ。

「さあ?
 いらっしゃらないと思いますけど」

 ユキエはお茶を出しながら、あやめの視線を追い、ああ、と微笑む。

「あのガラスの通路は桐治様が、お友だちの家でご覧になって、気に入られて」

 それでユキエが発注したらしい。

「ほう。
 あれは猫が歩くものだったのか」
と桐治が笑い、村正が呟く。

「猫もいないのに、何故、キャットウォーク」
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