希望の光~たとえあなたが消えても愛し続ける~
「何があった? 全部、話して」


興味本位じゃない、本気で心配だった。
全てを知りたかった。


「……うん」


唇を噛み締めた後、覚悟を決めて、京夏さんは語り始めた。


毎日のように繰り返される夫からの暴言と暴力。
そんな最低な行動に、怯えながら耐える日々を送っていると――
俺は、思いもしなかった告白に驚愕した。


ブラウスの袖を少しめくると、その腕にはまだ新しいと思われるアザがあった。


「な、なんだよ、これ」


同じようなアザが、体のあちこちにあると聞いた瞬間、俺の中のスイッチが入った音がした。


ずっと封印していた狂気の部分が顔を出す――


「許さない。絶対許さない」


何ともいえない怒りの感情がふつふつと湧き上がる。


「こんなこと聞かせてごめんね……」


「そいつ、殴っていい?」


京夏さんは、当然、首を横に振った。
この人はこういう人だ。暴力を嫌う、とても優しい人。だからこそ、こんな目に合わせた奴を許すわけにはいかなかった。
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