女子高生と同居することになった!

13話。10年前に私に片思いしていた男の子とデートする

13話。10年前に私に片思いしていた男の子とデートする

アカリはレンと一緒に歩きながら自分自身にびっくりした。 自分がレンの横に先に近づいたのもそうだし、レンの家から出てくる「デート」という言葉を使ったことやレンの横にくっついて「カップル」という言葉を使った自分に驚いたためだった。

それは恐らくぎこちなさを隠すためだったのかもしれない。 突然同じクラスの男の子の家で同居することになり、それも相手が平凡な同級生ではなく10年後の世の中、未来でタイムスリップして10年前に片思いしていた自分に会いに来た男だったからだ。

ところが、あかりはれんといっしょに歩きながら胸がどきどきするのを感じた。 男を見ながらドキドキする感情を感じたことがなくはなかった。 中学校の時、同じ塾に通っていた年上の男子高校生を見ながら一人でドキドキした記憶があった。 しかし、このように男と近い距離で一緒にいながらドキドキしたことはなかった。

では、この男の子が私も好きなのだろうか? それともただ死の危機から救ってくれたことに対する感謝のおかげで好きなように錯覚するのだろうか?

おそらく、時間が経てば自分の感情がどんなものなのかはっきり分かるようだった。 しかし、この瞬間確実なことは自分の感情が死を決心した前日の夜とはあまりにも違うということだった。 一日一日死を考えない日が一日もなく、いつも希望が見えもせず、どんな楽しみもない一日一日だったが、今この瞬間だけは違った。 あかりはその理由を知りたかった。 ただ、死の危機から脱したか、それとも身を寄せる場所ができたからだろうか? それとも他の理由があるかな?

今すぐ思ったのは、死ななくてよかったという考えだけだった。 そして、レンに連絡してみてよかったということだった。 だから今生きてるんだから。 あと、買っておいて一度も着ていない服を着て出かける機会もできたからね。

レンはあかりをちらりと見ながら尋ねた。

「何を考えているの?」
「何でもない。」

レンはアイドルメンバーのようにずば抜けてハンサムなわけではなかったが、だからといって外見が劣るわけでもなかった。 適度に良い印象でいい外見で、適度に高い身長で適当な体つきだった。 どんな面でも他の男性より特に劣るとは思わなかった。 いや、考えてみればある面ではかっこよく感じられたりもした。

「レン君、あそこへ行こう。」

あかりは通りすがりに家庭食丼&ラーメン屋と書いてある店を見つけては言った。 レンが店を見て言った。

「あかりちゃん、あんなの好き?」

あかりは店の前に書いておいたメニューを見て言った。

「わあ、鮭丼美味しそう。」
「え? 私もサーモンが好きだけど、よかった。」

分かりやすく、あかりとれんは丼屋に入った。 店内はそんなに広くはなかったが、きれいで居心地の良い雰囲気だった。 そして、カップルが多く訪れるのか、小さなテーブルと椅子が2つずつ置かれた2人席がほとんどだった。

あかりとれんは鮭丼を2人前注文した。 あかりは店内を見回して言った。

「こんな所久しぶりに来てみる。」
「そう?」
「外食なんかすることがなかったから。」

最初にアカリとレンが入ってきた時は空席がかなりあったが、すぐ席は満席になった。 客はほとんどカップルだった。

「この店有名な飲食店みたい。 お客さんがすごくたくさん来るねか?」

アカリは客でいっぱいのテーブルを見ながら言った。 しばらくして、注文した料理が出てくると、あかりは携帯電話を取り出して食べ物を撮影しながら話した。

「わあ!すごくおいしそう!」

あかりは食べ物の写真を撮りながらにっこりと笑った。 その瞬間だけは父親に持続的にやられた虐待や暴言などは思い出せなかった。 今この瞬間だけでも幸せになりたいと思った。 写真を撮ってからレンの顔を見ると、薄い笑みを浮かべていた。

「早く食べよう。 いただきます!」
「そうだね、いただきます! そして、おいしく食べてね!」

客が殺到し続けていたため、長く座って食べられる雰囲気ではなかった。 食事が終わる頃、レンは言った。

「ここでは長く座っていてはいけないと思う。 食べ終わったら冷たいものを飲みに行こう。」
「うん、ほとんど食べ終わったよ。 食べ終わったらカフェに行こう。」
「あ、カフェに行く前に行くところがある。」
「どこ?」
「私もタイムスリップしてきたので服をちょっと買わないといけないと思うし、アカリちゃんも何かちょっと買わないといけないと思うから買い物からしよう。」
「買い物しようって?」
「買い物」という言葉にあかりは嬉しい気持ちになった。 確かに買い物が好きではない女の子はあまりいないだろうが、あかりはもともと「買い物」が好きでもあるが、いざ買い物をしたことはあまりなかったからだ。」

原宿駅には比類のないものの、それでも原宿駅周辺にも値段が高くなくても品質の良い服屋がたくさんあった。 レンはあたりを見回して,ある衣料品店に入りながら言った。

「あかりちゃん。入ってみよう。」

アカリはレンについて行きながら言った。

「あれ?ここは女服屋なんだけど?」
「あかりちゃんも外出するには服がたくさんないといけない。 一人でいる時は分からなくても、
私と一緒にいる時は制服を着て過ごすことはできないでしょ?」
「それでも…···」
「そうしないで、早く気に入った服を選んでみて。」

あかりは当初、れんが服を選ぶのを見物するだけだったが、思いもよらなかった服の買い物をするようになった。 ところで、どうしてそんなに気に入った服が多いのか?

「本当に選んでいいの?」
「いくらでも。」
「気に入った服はたくさんあるけど、ここは全部お嬢さんが着る服みたいだけど?」
「お嬢さんに見せるために服を買えということだ。 そして、どうせ誕生日さえ過ぎたら成人になるんじゃない?」

レンがそう言うと、アカリは気が軽くなった。 あかりはお気に入りの服を選んでレンに尋ねた。

「これはどう?」
「気に入ったら着てみて。」
「じゃあ、最初から何着か選んでまとめて着てみよう。」

アカリが選んだ服はスカートを含めたツーピーススタイル2着とワンピースだった。 アカリは試着室に入ると、まずアイボリー色のミニワンピースを着て、レンに聞いた。

「どう?」
「よく似合う!」

後ろにはリボンがついていて、もっと可愛らしく見えるワンピースだった。

「本当に大丈夫?」

レンと目が合ったが、レンはアカリに目をつけてしばらく見て答えた。

「うん、きれいだね。」

魂のない返事ではなく、真心がこもっているようで、あかりはとてもうれしかった。 アカリは試着室に戻り、残りの2着の服も着てみた。 それからレンに聞いた。

「全部気に入ったけど、どれを選ぼうかな?」
「3人とも買えばいいんじゃない?。」
「どうやって?」

しかし、レンはアカリが持っている服を見て、それをつかんでレジに持っていった。 レンは会計を終え,買い物袋に入っている服を指差しながら言った。

「重いから私が持っているよ。 行こう!」
「レン君も服買わないと。」

レンは服屋を出て言った。

「私も服を買う。 その前にあそこに先に行こう。」

レンが指差したところは化粧品を主に販売しながら色々な品目を扱うチェーン店だった。
レンは先にドアを開けてアカリが入ってくるのを待った。 アカリはしばらくためらった後、レンについて入った。

レンは化粧品が陳列されている店頭を指差しながら言った。

「必要な化粧品があれば、今日全部選んで。」
「それはあまりにも…···」
「お願い。 私は10歳年下の未成年者と付き合う男に見せたくないから、私のためにも必要なものはここで全部買って行って。」
「……」
「私も男子化粧品を見ているからゆっくり選んで。」

レンはそう言って,男性用化粧品コーナーに行った。 あかりはそんなに化粧品を見ているだけでも楽しかった。 普段はあまり来ることのない所だった。 もちろん、女子中学生や女子高校生も友達と一緒に化粧品を買いにたくさん訪れる所だったが、あかりは他の友達と一緒に行ったこともなく、しばらく一人で立ち寄ってティントのようなものを買ったことだけだった。

化粧品を見ていると、レンが来て言った。

「肌に良いローションとかも買って。 あ、これ肌にいいって言ってたけど?」
レンは水分クリームを手に取り,あかりに差し出した。 結局、あかりはれんの言うとおりにい
ろんな種類の化粧品を選んだ。 レンはアカリが選んだアイパレットを見て言った。
「それでアイメイクしたらきれいだね。 目元にきらめくものを塗れば、すごくきれいだろうね。」
「私はまだ高校生なんだけど?」
「さっきも言ったじゃない? お嬢さんのように見えなきゃいけないんだから。」
それはレンの言葉が十分に理解できた。 若い人なら、特に少女なら誰でも早く大人になりたいだろう。 だからもっと早くお嬢さんのように見せようと早くから化粧するのではないだろうか?
ところで、どうせレンのためにも少女のように見えてはいけない。 学校の外で一緒に通う時は、なんとか年の差が少ないように見えた方がいいから。」

アカリが服と化粧品を全部買ってから、レンは男服を売っている店に行って自分が着る服を買った。 レンも服を何着か買ったので、全部買ってきたらアカリの服まで荷物が一包みだった。

「私がちょっと持つよ。」

あかりの言葉にれんが答えた。

「大丈夫。私が両手で持てばいいから、あかりちゃんは化粧品だけ持って。 これからカフェに行って何か飲もう。」
「うん。」

ところが、あかりは男服屋から出て歩いて行こうとした瞬間、足が凍りついてしまった。

「あっ!」

向かいから誰かが近づいていたが、彼はまさに中島俊介だった。
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