ごめん、キミが好き《短編・完結》
『ユイを迎えに来た。』
タクマの言葉通り、私はタクマに連れられて海外に行く事になった。
もう離れていたくないの。
社長になったばかりの忙しいタクマに、早々結婚式とかそんなのは求めない。
『ユイを俺に下さい。』
タクマが念願だったらしいこの一言で、パパ達は本当に驚いてた。
パパは
「え?いつからだい?」
なんて半分嬉しそうに半分淋しそうに言った。
「びっくりさせてごめんね。この家に来た時から、俺はユイだけを好きでした。おじさん、おばさん…もうあの頃の俺じゃないから、ずっとユイの側で…ユイを愛する事を認めて欲しいんだ。」
真剣なタクマの目を、真剣に見つめたママが口を開いた。
「二人ともいい大人なんだし…ね、パパ。」
鼻をすすりりながらパパが微笑む。
「タクマ君なら安心だ…。幸せにしてやってくれ。」
その言葉と同時に、いきなり現れた4つのグラス。
深い、透き通った赤の液体が注がれる。
おめでたい時は決まってワイン。
その色は、何年もの歳月を重ねた私の愛情の様に深い色をしていて…とても綺麗だった。
「「おめでとう!」」
祝福される事の喜びに、いつまでも浸っていたかった。