ゾンビゲーム 〜生死をかけて脱出せよ!〜

☆☆☆



通路から出た文秋はすぐにドアを締めた。

同時にカチッと、自動で施錠される音が聞こえてきてフッと肩の力を抜く。

きっと通路内ではふたりが騒いでいるだろうけれど、その声は部屋の中までは聞こえてこなかった。

ドアがあった場所に両手をついて大きく息を吸い込む。



この部屋からは自分1人で行く。

もう、誰のことも傷つけない。

春美がゾンビに襲われてしまったときから、ずっと考えていたことだった。

このゲームは自分1人でクリアしなければいけないんじゃないか。

これ以上、誰も傷つけてはいけないんじゃないかと。

それなのに、怖くて言い出すことができなかった。

1人で先へ進むことなんて考えたくもなかった。

けれど今度は梨乃まで怪我をして、通路から脱出するために血を流させてしまった。

春美の爪が剥がれた時についに自分の中で限界を感じたのだ。
< 97 / 179 >

この作品をシェア

pagetop