紅色に染まる頃
「メリークリスマス!」

グラスを掲げて乾杯し、おしゃべりをしながら料理を楽しむ。

デザートのケーキを食べ終わると、エレナがピアノを弾いてくれた。

照明を落としたラウンジはムード満点で、大人っぽいエレナの雰囲気が更に際立つ。

美紅はうっとりとエレナの演奏と雰囲気に酔いしれていた。

ふと気づくと、紘が優しくエレナを見つめて微笑んでいる。

美紅は、先日のパーティーでのエレナの言葉を思い出し、胸がギュッと締めつけられた。

(エレナさん、本当なの?クリスマスを最後に兄さんと……)

信じたくない。
確かめたくない。
どうかこのままでいて。

美紅は祈るようにエレナを見つめていた。
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