ガラスのピアノは涙にきらめく ~御曹司を誘拐したら冷たく溺愛されました~
「二時間ドラマみたいに崖っぷちで犯人の告白を聞いてみたかったな」
「見たことあるんですか?」
「ない」
驚いた桜空に、漣は即答した。
「ないが、あるあるだと聞いたことはある」
「崖なんか行かなくても充分にハラハラしました」
そうか、と言って漣はくくっと笑った。
鋼太郎もメイド長も和志もみんな退室したリビングで、桜空は困惑して座ったまま漣の言葉を待った。
だが、ソファに座り直した漣はタブレットを見ていてなにも言わない。
しびれを切らし、桜空は言った。
「私も警察に連れていかれるんですよね」
「今さらなんだ」
「あの人、警察に連れて行ったんでしょう?」
「名誉に関わる。警察には行かない」
桜空は漣を見た。が、漣は表情を変えないからなにを考えているのかわからない。
「私、自首します」
「無駄だ。いたずらとして怒られるだけだ」
「犯人がここにいるのに」
「現行の法律では自白のみによって有罪にしない」
「私、学がないから」
恥ずかしそうに体をすぼめる。工場を手伝うためにろくに勉強をしなかった。高校も底辺と言われるようなところだった。卒業後は働きに出て全額を家計に入れていた。仕事から帰ったらまた工場を手伝って、本を読む暇すらなかった。
「女に誘拐されたみっともない男だと笑いものにする、それが目的か?」
「違います」
しょんぼりと彼女はうなだれる。
「告白はデメリットだらけだ。なぜ自首しようとする」
「それが正しいから」
「お前が楽になりたいだけだろう。いい加減黙れ」
「だけど」
「黙れと言っている」
漣は言いざま、桜空の口をふさいだ。自身の唇で。
「見たことあるんですか?」
「ない」
驚いた桜空に、漣は即答した。
「ないが、あるあるだと聞いたことはある」
「崖なんか行かなくても充分にハラハラしました」
そうか、と言って漣はくくっと笑った。
鋼太郎もメイド長も和志もみんな退室したリビングで、桜空は困惑して座ったまま漣の言葉を待った。
だが、ソファに座り直した漣はタブレットを見ていてなにも言わない。
しびれを切らし、桜空は言った。
「私も警察に連れていかれるんですよね」
「今さらなんだ」
「あの人、警察に連れて行ったんでしょう?」
「名誉に関わる。警察には行かない」
桜空は漣を見た。が、漣は表情を変えないからなにを考えているのかわからない。
「私、自首します」
「無駄だ。いたずらとして怒られるだけだ」
「犯人がここにいるのに」
「現行の法律では自白のみによって有罪にしない」
「私、学がないから」
恥ずかしそうに体をすぼめる。工場を手伝うためにろくに勉強をしなかった。高校も底辺と言われるようなところだった。卒業後は働きに出て全額を家計に入れていた。仕事から帰ったらまた工場を手伝って、本を読む暇すらなかった。
「女に誘拐されたみっともない男だと笑いものにする、それが目的か?」
「違います」
しょんぼりと彼女はうなだれる。
「告白はデメリットだらけだ。なぜ自首しようとする」
「それが正しいから」
「お前が楽になりたいだけだろう。いい加減黙れ」
「だけど」
「黙れと言っている」
漣は言いざま、桜空の口をふさいだ。自身の唇で。