ガラスのピアノは涙にきらめく ~御曹司を誘拐したら冷たく溺愛されました~
「祥介がたれこんだんだろう。スキャンダルにしたかったのにスポーツ紙側はこのほうが売れるとふんでシンデレラストーリーにして記事を書いた、というところか」
桜空は何度も紙面を見た。何回見ても書かれている御曹司は漣だったし、黒い目線が入った女性は自分にしか見えなかった。
「これで結婚しなかったとなると外聞が悪い。俺の結婚は株価にも影響する。おとなしく結婚されろ」
「そんな」
二の句が告げなかった。が、なんとか言葉を繋げる。
「あなたとは立場が違い過ぎて結婚なんて」
「一年だな」
と漣は言った。
「会社を作って社長の地位を用意してやる。お前はなにもしなくてもいい。一年後は俺と結婚して引退だ」
「なんでもお金で解決……」
「金で解決できることなのに使わないなんてことあるか?」
漣は桜空を一瞥する。
「それとも女にふられたみじめな男になれというのか?」
「あなたがふったことにしたらいいじゃないですか」
「女を弄ぶ男だと言われるだろうが」
「愛のない結婚なんて」
「君まで愛とか言うのか。がっかりだ」
漣は軽く息をついた。野心のある女たちはいつも愛を語りながら彼に近付く。
かつては彼も愛だの恋だの言っていた記憶がある。いつの間にかどこかへ置き去りにしてきていた。
「ならば君が愛を証明しろ」
「そんなの、どんなに言葉を尽くしても、あなたは信じないでしょう?」
「簡単だ。君が俺を愛せばいい」
桜空はうつむいた。そんなのとっくにそうなっている。
「そのうえで、俺が君を愛するようにさせろ」
「無理です」
桜空は泣くのをこらえて必死に笑顔を作った。
「泣きたいなら泣けばいい」
「泣きません」
直後にぽろっと涙がこぼれた。
くくっと漣が笑った。
桜空は何度も紙面を見た。何回見ても書かれている御曹司は漣だったし、黒い目線が入った女性は自分にしか見えなかった。
「これで結婚しなかったとなると外聞が悪い。俺の結婚は株価にも影響する。おとなしく結婚されろ」
「そんな」
二の句が告げなかった。が、なんとか言葉を繋げる。
「あなたとは立場が違い過ぎて結婚なんて」
「一年だな」
と漣は言った。
「会社を作って社長の地位を用意してやる。お前はなにもしなくてもいい。一年後は俺と結婚して引退だ」
「なんでもお金で解決……」
「金で解決できることなのに使わないなんてことあるか?」
漣は桜空を一瞥する。
「それとも女にふられたみじめな男になれというのか?」
「あなたがふったことにしたらいいじゃないですか」
「女を弄ぶ男だと言われるだろうが」
「愛のない結婚なんて」
「君まで愛とか言うのか。がっかりだ」
漣は軽く息をついた。野心のある女たちはいつも愛を語りながら彼に近付く。
かつては彼も愛だの恋だの言っていた記憶がある。いつの間にかどこかへ置き去りにしてきていた。
「ならば君が愛を証明しろ」
「そんなの、どんなに言葉を尽くしても、あなたは信じないでしょう?」
「簡単だ。君が俺を愛せばいい」
桜空はうつむいた。そんなのとっくにそうなっている。
「そのうえで、俺が君を愛するようにさせろ」
「無理です」
桜空は泣くのをこらえて必死に笑顔を作った。
「泣きたいなら泣けばいい」
「泣きません」
直後にぽろっと涙がこぼれた。
くくっと漣が笑った。