財閥御曹司の独占的な深愛は 〜彼氏に捨てられて貯金をとられて借金まで押し付けられた夜、婚約者に逃げられて未練がましい財閥御曹司と一晩を過ごしたら結婚を申し込まれました〜
「深海を直でみられる日が来るとは思わなかったわ」
「ロマンがあるよね。深海に行くのは宇宙に行くより難しいとも言われてるし」
「そうなの?」
「水圧がすごいからね。寒いし。とはいっても深海3000メートル以上では1.5度ほどでそれ以下に下がらないらしいけど」
「地球って山の上も海の底も寒いのね。なのに真ん中は熱いんでしょう? 変なの」
「確か100キロ地下のマントルあたりで1000度以上だったかな」
「想像もつかないわ」
「そろそろ深度200メートルだな」
千遥はわくわくと窓の外を見た。海底には自力で発光する生物もいるし、楽しみだった。
が、外は真っ暗だった。
潜水艇の灯りがあるが、その範囲の海底にはなにもなかった。
「……こんな感じなの」
窓の外を一生懸命見るが、ざらっとした砂と岩の海底が見えるばかりで、生き物はなにも見えなかった。リュウグウノツカイもタカアシガニもダイオウグソクムシもメンダコもいない。
「大自然相手だから仕方ない」
彼は苦笑して、千遥はため息をついて席に座った。
「あのとき、怒ってくれて嬉しかったよ」
ぽつり、と彼は言った。
顔を上げると、海里はふわんと笑った。
「恥ずかしかったけど。俺のために怒ってくれる気持ちがうれしかった」
千遥はなにも言えずに彼を見つめた。
彼の顔が近付いたとき。
「あ!」
千遥は思わず声をあげた。
「あれ、何だろう?」
海中をススキの穂のようなものがふわふわと漂っていた。
「トリノアシだね。なかなか珍しいよ。ウニやヒトデの仲間だ」
「変な生き物……」
「あっちにはマンボウだ」
「深海に!?」
「ミズダコもいるな」
「大きい! 何メートルあるの?」
「ロマンがあるよね。深海に行くのは宇宙に行くより難しいとも言われてるし」
「そうなの?」
「水圧がすごいからね。寒いし。とはいっても深海3000メートル以上では1.5度ほどでそれ以下に下がらないらしいけど」
「地球って山の上も海の底も寒いのね。なのに真ん中は熱いんでしょう? 変なの」
「確か100キロ地下のマントルあたりで1000度以上だったかな」
「想像もつかないわ」
「そろそろ深度200メートルだな」
千遥はわくわくと窓の外を見た。海底には自力で発光する生物もいるし、楽しみだった。
が、外は真っ暗だった。
潜水艇の灯りがあるが、その範囲の海底にはなにもなかった。
「……こんな感じなの」
窓の外を一生懸命見るが、ざらっとした砂と岩の海底が見えるばかりで、生き物はなにも見えなかった。リュウグウノツカイもタカアシガニもダイオウグソクムシもメンダコもいない。
「大自然相手だから仕方ない」
彼は苦笑して、千遥はため息をついて席に座った。
「あのとき、怒ってくれて嬉しかったよ」
ぽつり、と彼は言った。
顔を上げると、海里はふわんと笑った。
「恥ずかしかったけど。俺のために怒ってくれる気持ちがうれしかった」
千遥はなにも言えずに彼を見つめた。
彼の顔が近付いたとき。
「あ!」
千遥は思わず声をあげた。
「あれ、何だろう?」
海中をススキの穂のようなものがふわふわと漂っていた。
「トリノアシだね。なかなか珍しいよ。ウニやヒトデの仲間だ」
「変な生き物……」
「あっちにはマンボウだ」
「深海に!?」
「ミズダコもいるな」
「大きい! 何メートルあるの?」